格子戸の先に広がる土間玄関に、小上がりの和室。和の趣で統一された住まいは、
懐かしさの中に機能性を取り入れた暮らしやすさが特徴だ。

ご主人の祖父母の実家を建て替え、4人家族のための住まいを新築したOさん夫妻。
当初は築50年の家のリフォームや減築も検討したが、土地の有効活用の面から解体して新築することを選択した。
家づくりにあたって、展示場を巡り、モデルハウスを見学した夫妻。何の気なしに立ち寄ったという未来工房のモデルハウスに
一歩足を踏み入れた時に「こんな家に住みたい」と感じたと話す。
「表しの梁や天井の木目の美しさを見て、自分が住まいに望んでいたのは落ち着いた和の雰囲気だと気づきました」（ご主人）
さらに、国産の無垢材をふんだんに使う家づくりにもひかれたという。「ずっと住むなら、あたたかみのある家がいいと思っていたので、自然素材を使った未来工房の家づくりにひかれました」と奥さん。

玄関土間と小上がりの和室は、町家の通り土間に憧れていたという夫妻の希望によるもの。
土間には大容量の収納を設け、出かける時の準備を一カ所でまかなえるようにした。奥さんは「ベビーカーもしまえるのでとても便利です。帰宅時のために、玄関土間に手洗いスペースも設けました」と話す。

４畳半の小上がりは、玄関土間のベンチのように使えるほか、子どもたちのお昼寝や遊び場としても活躍しているという。
さらに子どもたちが成長して２階の洋室を使うようになった場合には、夫妻の寝室として使うことも想定されており、面積以上に使い勝手の良いスペースとなっている。

家族が集うLDKは、リビングに吹き抜けを設け、伸びやかさを感じる空間とした。「細長い間取りなので、吹き抜けの高い窓から光を取り込みました。
またダイニングの窓は、キッチンに立つと景色が見える高さに設定しました。春には満開の桜を眺められます」と設計を担当した坂本は話す。

Oさん夫妻がこの家に暮らして約1年半。奥さんが「夏も冬もエアコン１台で家中快適です。以前住んでいたアパートと違って、裸足でも足裏が冷たくないんです。木の温かさを実感しています」と言えば、ご主人は「帰ってきたときにほっとしますね」と微笑む。「今度は和室のホールに面してウッドデッキをつくったり、庭で花や野菜を育てたい」と語る夫妻。
家族で住まいに手を入れつつ、丁寧な日々を紡いでいくのだろう。