完成
見学会

2024.11.12

NEWS

木材の流通のこと

一般的に、ハウスメーカーや工務店の材料は、「この規格の板を、何枚」と発注する形で行われます。
発注先は、主に建材全般を扱う、建材商社です。
建材商社にはあらゆる建材が取り揃えられており、とても便利ではあるのですが、
残念ながら自然素材であっても、新建材と同じような規格で取り扱いされるため、
規格外の野菜のような自然素材の材料は、なかなか流通に乗りません。
自然素材独特の特性を知らない人にとっては、扱いにくく、面倒なシロモノでしかない・・残念ながらこれが自然素材の現状です。

だから、現在、住宅に使われている国産材のほとんどは、壁の中に隠れてしまっています。
柱、さらに小割にして、羽柄材(はがらざい)といった補助部材。
もしくは、国産の合板。
「国産の木材を、そのまま美しく住宅に活かす」ことは、通常の流通に頼っているままでは難しいのが現状です。

私たち未来工房では、製材所と直接やりとりをすることで、
また、2024年には湯前町木材事業協同組合に加盟することで、
「国産材を美しく住宅に活かす」ことに、製材所といっしょになって、25年来取り組んできました。

どのようなやりとりをしているか、ここから少しだけお見せします!

先週、現場監督といっしょに、球磨郡湯前町の製材所を訪ねました。
これまで25年の間、構造材に球磨杉を用いてきましたが、
丸太の真ん中を梁・桁に製材したあと、残る側板(がわいた)については、
どのような利活用をするか、製材所の方にお任せしていました。
何かの材料に使いたいが、こればかりは製材所との連携がなければ使う形に製材することができません。
(機械の種類も複数あり、一つの製材所であらゆる形の加工が可能なわけではないのです)

そんな中、ようやく・・床板・野地板への加工が可能になりました。

原木燻煙した丸太の真ん中部分は梁桁に、側板を板材に。
自然素材ですから、加工のサイズだけ伝えれば希望通りの板ができるわけではありません。
節の具合、色味、乾燥の度合い、さね加工(板をつなぎ合わせる凹凸部分)の方法・・
ようやく板材ができても終わりではありません。

納材され、現場で大工さんによる確認もあります。
さらに、実際に施工する大工さんの声も聞きながら、さね加工の具合などを微調整します。

製材所の方にも実際の家づくり現場へ来ていただき、
私たちも製材所へ伺って、品質の共通認識を持つために、何度もやりとりを繰り返しています。

この日、別の打ち合わせがあり、湯前町役場へ伺いました。
湯前町にはマンガ美術館があります。11月にはイベントを予定しているいうことで、なんと役場はコスプレ月間。打合せや名刺交換もコスプレでした!