熊本モデルハウス建築日記【羊毛断熱編】
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栄養成分主義?
熊本県の住宅誌『住まいの提案、熊本』にコラムを書かせていただいています。
こちらは2024年8月号のコラムです。
「みんなで楽しく会話しながら食べましょう」「これは地域の人が作ってくれた野菜ですよ」
給食の先生は、30年前も今も、同じように子供たちに伝えてくれています。
実際、家族で食卓を囲み、学校で育てた野菜を「おいしいね」と食べるとき、子供たちは誇らしげな顔をします。
新鮮な野菜、作ってくれた人の顔、地域の風景・・食事の時間にはそんな豊かさがあります。
では、サプリや栄養補助食品を食べるときはどうでしょうか。
「食べる」という行為が単なる「栄養の摂取」となったとき、豊かさは失われてしまうのではないでしょうか。
今年初め、小沢健二の配信講義(2024年1月)を聞きながら、そんなことを考えていました。
そして今、住宅業界は、このような豊かさを失いつつあるのではないかと危惧しています。
Ua値、C値、断熱等級・・たくさんの数値が飛び交う中、
「機能の摂取」一辺倒になってしまっていないでしょうか?
家が本来持っているはずの、風景や家族団らん、居心地の良さ、
土や雨の匂い、窓から入る風、顔の見える材料と職人の手しごと・・
そんな豊かさを、置き去りにしてしまっているのではないでしょうか?
私たち未来工房は、暮らしの豊かさも、もちろん数値にも満足できる、
そんな家づくりを目指しています。
家で過ごす時間が豊かなものになること。
住む人にとって、地域や地球環境にとっても、未来にとっても良い家であること。
家づくりの目的を忘れないよう、単なる機能の摂取にならないよう、家づくりに取り組んでいます。