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未来工房とは

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本物のストック住宅をつくろう

近年、環境や社会の変化は顕著です。幾度も起こる大きな地震、異様な暑さ、毎年のように襲う大雨の被害。脱炭素への動きも加速しています。
こんな時代だからこそ、合板やサイディングのような工業製品を使わず、ごく当たり前に、九州の木、漆喰、羊毛で、家をつくります。

「家」とは単なる「モノ」ではありません。
地球環境とも矛盾することなく、人が安心して暮らすことができ、長く世代を超えて、心身ともに健康であり続けられる、それが本当の意味でのストック住宅。
それが、未来工房の提案する、当たり前の家づくりです。

地球温暖化と高性能住宅

地球温暖化は、1970年代から問題視されはじめました。

1985年、オーストリアで開催された会議で、地球温暖化に対する問題意識が国際的に広がったと言われています。人間の産業活動等により排出される温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、フロン類など)の増大が原因であると明記されたにも関わらず、残念ながら地球温暖化は止まらず、今も気温は上昇し続けています。20〜30年前の夏を思い出すと、現在の夏の40度近い暑さは考えられないほどです。

その後、住宅業界においては、
ZEH住宅
①省エネ設備・家電を用いること
②家の断熱性能を上げてエネルギー消費量を少なくすること
③太陽光発電を設置しエネルギーを創り、消費と相殺すること

「CO2排出量を削減」するために、上記のような「運用時のエネルギー収支をゼロにする」ZEH住宅を目指すことになりました。しかしながら、この「運用時のエネルギー収支ゼロ」には、材料の生産時や輸送時、建築時や廃棄時のCO2排出量は含まれていません

最近は、運用時だけでなく建築時・廃棄処分時など、CO2排出量を様々な段階で計算する「ライフサイクルアセスメント」が行われています。

上記のグラフは、一般的な住宅を「60年」運用したときのCO2排出量です。(国土交通白書2022より)https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r03/hakusho/r04/html/n1211000.html

運用時の60年間で、設計監理~改修時の約3倍のCO2が排出されていることになります。

(国土交通白書2022「減失住宅の平均築後経過年数の国際比較」より)https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r03/hakusho/r04/html/n1211000.html

しかしながら、同じ国土交通白書で、日本の滅失住宅の平均築後年数は約38年と書かれています。ちなみに、2015年調査では「32.1年」でしたので、6年ほどは住宅の命は延びているようですね。

とはいえ、CO2排出量試算のように、60年の運用には程遠いことが分かります。
このライフサイクルアセスメントをこのまま38年に計算しなおすことはできませんが、少なくとも、日本の住宅が現在のような寿命のままでは、新築時・修繕改修時のCO2排出量は押さえることができません。運用時のCO2排出量をどんなに削減しても、どんなに太陽光発電で消費エネルギーを相殺しても、スクラップアンドビルドによって、結局CO2は多量に排出され続けてしまうのです。

(2024LIXIL 「GREEN WINDOW https://www.lixil.co.jp/lineup/window/greenwindow/future/#lowcarbon より)

直近のLIXILの試算によると、30年の運用の場合、建設全般にかかるCO2排出量と居住時のCO2排出量が、同量となっています。
LIXILの取り組みでは、作る時も、使う時も、低炭素を目指し、エンボディドカーボン・オペレーショナルカーボンどちらも削減することを目指しています。

家づくりで優先すべきことは

上記の状況を踏まえ、私たち未来工房は、何よりもまず、きちんと長く持つ家をつくることを大切だと考えています。まだまだ使える状態でありながら、解体されている住宅も多く、「長く持つ家」とは、物性面・心理面の両方から考えるべきだと考えています。
まずは、1.北部九州の、高温多湿の気候に適しており、長く住み続けられる家
さらに、2.普遍的な居心地とデザインで、人が「住みたい」と思い続けることのできる家
これらによって、適切な性能と居心地で、たとえ中古住宅としてリセールされたとしても、きちんと買い手がつき、長く使い続けることができると考えています。(だから、未来工房では、オーナーチェンジ後も、建築した家のメンテナンスや点検を行っています)

住宅は、大きな買い物です。
建築予算の配分には特に頭を悩ませることと思います。もちろんどれもこれも実現できればいいのですが、昨今の原材料の高騰に、私たちもお客様にとって何が最適なのか日々頭を悩ませているのが現状です。
しかし少なくとも、このCO2排出量削減=脱炭素を考えたとき、予算配分の優先順位は、明らかです。
①長く持つ建物の性能(気候と人に適した建物)
②建物ほどは長く使わないが、やはり10年以上は使うことになる省エネ設備・家電を選ぶこと。
③運用時のCO2排出量を相殺するために、太陽光発電などの創エネルギーを検討すること。

私たちはこのように考えています。
太陽光発電は、後から屋根の上に載せることができます。きちんと長持ちする家を作ることを優先すべきなのです。実際、お引渡しから数年後、太陽光発電を搭載されるお客様も多くいらっしゃいます。

地球環境や社会に負荷を与えない建築であること。

では、どのような家が「長く持つ建物」と言えるのでしょうか。
むやみやたらに住宅性能ばかりを求め、工業製品を多用した住宅を作ることは、実は、CO2排出量を増やしてしまうことにもなりかねません。それは、本来のZEH住宅の目的である「CO2排出量削減」を考えると、本末転倒でもあると考えます。

未来工房の家は、地域の森林・林業とともに歩むことのできる家です。生産時・輸送時に多くのCO2を排出する新建材ではなく、地域材である無垢の木を使用することによって、生産・輸送時のCO2排出量を抑えつつ、同時に地域の林業が活性化すること。
日本の2/3を占める森林は、CO2を「吸収」することができます。林業の活性化によって、CO2排出量の「削減」ではなく、排出されたCO2を「吸収」できる。
むしろ削減以上の効果があるのではないでしょうか?

上記の理由から、未来工房では、新築時よりもお引越し後数年経って、太陽光発電を検討されるお客様の方が多くいらっしゃいます。そのため、上記の表には数字としてあらわれていませんが、ZEH基準の性能と地域材を用いて、人と気候に適した未来工房の木の家は、CO2排出量削減、さらにはCO2吸収にも寄与していると言えると考えています。
さらに未来工房では、CO2排出量削減に加え、私たちの住む環境、そして川や海、土といった動植物の生きる環境も、良い形で次世代につなぐことが必要と考え、様々な取り組みを行っています。

① オール国産材の家づくり

木の民だった日本人の生活から、木の姿が減り始めて久しくなります。国土の約7割が森林でありながら木材自給率は約40%(令3)。木を使わなくなった上に、使う木の60%は外国産といういびつな現状にあるのです。
国産材が使われなくなったことで、必要な手入れがされないまま放置された森林は災害の原因にもなっています。
CO2を固定・蓄積した国産材を使い、使った分を植林。森林サイクルを整え、山の環境も守ります。国産材を使うことは、日本で家を作るものとしての責務であるとも考えています。

山の再生循環を維持するためには、国内の木を使用し、林業の経済循環を活発化することが重要です

② 建築から廃棄までのCO2削減

地域の自然素材を使用して長寿命の建物をつくることで、材料の製造・輸送時、建物の廃棄時までのCO2排出量を削減することができます。

③ バイオマス燃料を用いた木材の乾燥

重油を極力使用せず、バイオマス燃料で木材を乾燥させます。固定化されていた炭素量と、燃やされることで排出されるCO2は同量で、新たなCO2を生み出しません。

④ 木育活動

国産材を使うことは、日本の山・海・水といった環境を守ることにもつながります。木で遊びながら、木を学ぶ場を様々な形・場所で提供しています。
学校への出張講座やイベント依頼もお受けしております。どうぞお気軽にお問合せください。


経済産業省 STEAMライブラリー「森林の国ニッポン」
小中高における探究型学習で、様々な社会的・学問的テーマを扱ったデジタルライブラリー