唐津市 オーガニックレストラン「木の花」
佐賀県唐津市 I様邸
今回お邪魔したのは、唐津市の鏡山を臨む高台に、奥様がオーガニックレストランを経営されている、I様邸。 地図を頼りに、山手にのぼっていくと、みかん畑の先にダークブラウンのどっしりとした家が見えてきます。
お店の名前は、「木の花(このはな)」。名前の通り、庭には溢れんばかりの花が出迎えてくれました。
食への想いを込めて…
さっそく、住居併設のレストランへ。
無垢の木がふんだんに使われた店内には、庭に咲くモッコウバラが飾られ、ほっと心が和みます。
I様がお店をはじめたきっかけは、二人の娘さんが、大阪でマクロビオティックのレストランや料理教室をはじめた際に、しばらくの間お手伝いをされたこと。そもそもマクロビオティックに興味はあったけど、本を読む程度だったそうです。
そんな中、以前住んでいた家が、道路拡張工事にかかり立ち退きに。ご実家の近くで土地を探す中で、自然に囲まれた眺望の抜群のこの地に出会い、おいしい野菜を食べて欲しいという気持ちから、お店を開かれたそうです。
料理に使う野菜は、ほとんど自家栽培。そばを流れる川でクレソン、畑では季節に合わせ様々な野菜を育てています。
そして、周りの方から食材をいただくことも多いとか。「欲しいなと思っていると、どこからかやってくるの」と、笑顔の奥様。
この日いただいたお料理には、筍や蕗、蕨、ウドなど、この時期にしか食べられない旬の食材が並びます。
ヤーコン(菊科の根菜)の煮物は、砂糖を使っていないのに十分な甘味があり、素材の味に驚かされます。
食の大切さへの想いを込め、丁寧につくられた料理は、調理法も種類も様々で見た目にも楽しく、素材の味がしっかり感じられます。盛り沢山のお料理でお腹いっぱいでしたが、胃もたれすることなく、次の日はすっと身体が軽く、野菜のデトックス効果を実感しました。
「 和 という漢字の 禾 は、お米。お米を口にするのが、和の国の人。だからお米を食べなきゃ」と、奥様。おからハンバーグや、麩を肉に見立てたお麩の角煮風など。他に、よもぎなどの山菜の天ぷら、豆乳のと米粉を使ったグラタン、若芽と筍のがんもどきなど盛りだくさん。
「小さい家の勧め」は、本当にその通りだと思うんですよ。
I様と未来工房との出会いは、家を建てる予定もない頃に見た新聞広告。「未来工房の『小さい家の勧め』の考え方に共感して、
切り取って家計簿に挟んでたんですよ」と奥様。物を持ちすぎず、必要なものを見極める。そして手間を楽しむこと。
「隠れてしまう押入れは必要ないですよ。見えるとおのずと掃除するし、便利すぎると工夫する楽しさがなくなってしまうでしょ
。だから規格はおもしろくないって思うんですよ。そして、家族といつもつながっていたいから、吹き抜けとリビング階段がいい」と。
食も、暮らしも、素材にこだわり、工夫することを楽しむ。一時ではなく、それを持続することが心の満足につながる。
イキイキとお話くださる奥様に、改めて家づくりや、心豊かな暮らしについて教えていただいたように思います。
ゆっくりと、マイペース。
デッキにかかる屋根や、裏手にある小屋はご主人の手づくり。 奥様がご主人につくって欲しいものをリクエスト。「モッコウバラでアーチを作りたいんだけど、『そんなになんでもすぐにはできないよ』と、言われて…」と奥様。
以前住んでいた家から連れて来られた庭木もしっかりと根付き、お二人のペースで少しずつできていく庭は、型にはまらない、自然なところが魅力。こぼれ種で増えたハーブや草花をそのままに楽しまれています。
豊かな自然の中で、想いのこもった料理、そして住まい人である奥様の、暮らしを存分に楽しむ姿に、大きなエネルギーをもらった一日でした。
(取材/ 2011年夏)
https://cafeprana.com/konohana/
https://www.instagram.com/konohana_yamatonadeshiko/
オーガニックレストラン 木の花
佐賀県唐津市半田6042-1
金・土・日営業 (但し、前日までの完全予約制)
tel 0955-77-3978