海辺に住まう。
福岡県西区 N様邸
波の音と潮の香り。松林を風が通り抜ける。
サーフボードを磨いて、ゆっくりと時間は流れる。
白とグリーンの外観に赤の玄関が印象的なN様邸は、
都心部からもほど近い福岡市西区の海沿いにあります。
お住まいになって1年、ご夫婦の夢とアイデアが
詰まった暮らしぶりをみせていただきました。
ありのままを楽しむ。
1階全てが土間づくりのN様邸。
一歩室内に入ると外のジリジリとした暑さを感じず、足下からヒンヤリとした涼しさが伝わってきました。
「普段はお昼でもエアコンをつけずに窓を全開にして扇風機だけですよ。」と奥様。
汗をかきながらも土間の涼しさを感じることができるのだとか。
冬は薪ストーブを付けていれば煙突の熱で2階も十分暖かくなるのだそうです。
好きなモノ、大事にするコトが似ているという仲の良いN様ご夫婦。
お二人は揃って海辺に暮らすのが夢だったとのことで、家づくりの際は、薪ストーブや、風の通り道、
そして腰かけたときに緑や空がよく見えるように窓を配する、と、
より「自然に近いこと」を大事にされたそうです。
取材に伺った際も、真夏の陽射しはジリジリ熱くてたまらないほどなのに、窓から見える緑と空の色は、
室内のグリーンの壁とも相まって、とても柔らかく優しく感じました。
松林を抜け、脇に大きな木が立っているこの土地で暮らし始めて、
今ではダイレクトに四季を体感し、アパート暮らしでは感じることのなかった日々の「発見」を楽しまれています。
好きと遊びをつめこんだ秘密基地の家
自分たちが好きかどうか、を軸に選ばれた(作られた)
N様邸の小物や家具は、どれもわくわくするものばかり。
裏の海で拾った流木がトイレに飾られていたり、端材でテーブルが作られていたり。
玄関入ってすぐの水道管を利用した棚も、ご主人の手作りです。
「主人は不器用だったんですけど、いろいろ作れるようになりましたね。」と奥様。
あれこれ悩むよりも思いついたら作ってみるそうで、
「レコードのライトは近所のパン屋さんにあったのを見て作ってみたんです。
レコードは両親からもらったものなんですけど。」と話す奥様に、
「水道管の棚はパイプがめっちゃ重かったですね、がんばりました。」と笑うご主人。
その棚には、ご主人自慢のファイヤーキングのマグカップがずらりと並んでいました。
その数はすでに100個以上。なんと、室内のグリーンの壁は、
ファイヤーキングのジェダイ色に、という徹底ぶりです
「家のことをしていたら1日が過ぎる。」と楽しそうに話すお二人の様子は、
まさに想い通りの暮らしができている、というさわやかな充足感にあふれていました。
お二人にとって、「家のこと」とは単に家事をすることだけではなく、
日々の小さな発見を楽しみ、心豊かに暮らすこと。
そんな贅沢な時間を過ごすご夫婦が、うらやましくなってしまった取材陣でした。
(取材/2016年夏)
※CAFE JASPER 2024年3月閉店