完成
見学会

巣立っても帰りたくなる我が家

田川市 Y様邸

18年目の木の家

梅雨の晴れ間にお伺いしたY様邸。この日は、ご主人のお誕生日の祝いに、ご長男夫妻、ご次男と婚約者の方、県外から帰省された娘さんと大勢でお出迎えいただきました。

 Y様邸が完成したのは18年前。新築した頃に掲載された雑誌『チルチンびと』写真を見て、みなさん懐かしさと木の色の変化にびっくり。「見比べてみると、随分変わりましたね。猫もいてたくさん傷はあるけれど、気にならない。床の色も今の方がいい」と、ご家族みなさんが頷かれます。

「取材の時、スタディースペースで笑いを堪えながら勉強するふりしたよね!」と兄妹の思い出話に、せっかくだからと同じ場所、並びで記念撮影しました。今はご主人がフライフィッシングの道具をメンテナンスしたり、奥様の作業スペースになったり、気兼ねなく集中できる場所になっています。

 小学生の頃からこの家に住んでいるお子さんたちにとっては、この木の床が当たり前。進学や就職で一人暮らしをした時に「床ってこんなに冷たいんだ!家ってこんなに冷えているんだ!って驚いて、初めてスリッパを買いました」と娘さん。ご夫妻が未来工房での家づくりに決めたのも、この床だったといいます。「冷たさを感じず、気持ち良くて、人間も猫もそのままの床に寝っ転がってます。」 
剣道をされていたお子さんとご主人。次男さん曰く「床が程よく柔らかくて、踏み込みしやすい。剣道一家におすすめです!」

木の家に暮らして自然なものを好むようになったというご夫妻。「薬剤師という仕事柄、患者さんに接するうちに、段々と化学物質が気になって。無添加の石鹸から始めてシャンプーレスになって10年位になります。食器洗いもお湯で落ちるから、洗剤も使わなくなりました」と暮らしの変化を教えてくださいました。

変わらないところをお聞きすると、「家は建てたときのまま。不満がないんです。」たくさんの展示場を回ったというご夫妻。薪ストーブの後ろの壁は圧迫感がないようにあけて、丸棒ではなく彫り込みをした手すりなど、設計時に希望をしっかり伝えたといいます。「リビングの家具は嫁入り道具だし、カーテンも新築の時に選んだもので今でもすごく気に入っています」。


そしてもう一つは、いつも子供が家にいること。「独り立ちしても帰ってきたくなるし、奥さんを連れてきたいと思うんです」とご長男。子供の頃、誰かがゲームをしていればその周りに寝っ転がっていつの間にか集まっている。「吹き抜けやロフトで2階も繋がっていて、ドアを開けてることも多くて。夜はいびきがうるさいから、早く寝たもの勝ち!って感じでした」
大きすぎず開放的で、リビングにいなくても家族がずっと一緒にいる感じ。そんな環境で育ったご兄妹は、三人とも「この家が欲しい!」と口を揃え笑います。

ご夫妻二人の時は、ちょっといいお肉を七輪で焼いて楽しむという木々に囲まれたデッキ。子どもが生まれる度に両親が植えてくれた果樹は、さくらんぼ、橙、金柑、みかん、あんずが実り、収穫は家族の年間行事。思い出と共に巡っていく季節を感じます。

 これから家族が増えても、我が家の拠点は変わらない。帰ればいつでも笑顔が迎えてくれる。そんなY様の暮らしのひと匙をみなさんへ。